Avenue of America 190

2003年9月24日
月曜日。イスタンブールから帰国。東京は気候ががらりと変わってた。

6年間ずっと好きだった男に会いに行った。
6年前、NYで別れてから会うことばかり考えていた。
その間彼は、NY→イスタンブールと移動、私も2年前に5年ぶりに東京へ戻ってきた。

初めていったイスタンブール。いや、私たちにとってはコンスタンティノーブルなのだ。

一人でボスボラス海峡を渡った。
周りは、スカーフを頭にまいた、トルコ人ばかり。みんなこっちをじろじろ見る。平気だ。
ブルーモスクとアヤソフィアが見える。なんて大きな建物なんだろう。
自分が、ボスボラス海峡を渡っているなんて信じられない。

アジアンサイドに渡る。
観光客はいない。本当のトルコだ。
トルコ人ばかり。日本には無い混沌がある。
トルコ人で溢れ返る桟橋に、彼が迎えにきてくれていた。たった一人のアメリカ人。

ぜんぜん変わっていない。
何回もこの瞬間を想像してきた。
何回も、何回も。

歩いて、話をして、食事をして、また話した。

彼は私の運命の人ではなかった。
それを知るのが怖かったのだ。
一方で、他に運命の人がいるということがはっきり分かった。
行く前はあんなに怖かったのに。
私は悲しくなかった。まだ一度も泣いていない。これかも泣かないだろう。
彼と本当に別れたことよりも、もしも6年前にもどって、NYのあの場所で彼と出会ってももう私は、彼と一緒にあの店を出ないだろうと思うことが悲しい。ただ、、、すれ違うだけ。

NYのあの店で出会って、長く話した。
話した全てを覚えている。
彼との付き合いの全てを覚えている。
魂の存在を感じたのを覚えている。

あんなに大事な思い出だったのに、人生の一場面になってしまった。

彼を好きで、苦しくて、忘れたいと思った日々を懐かしく思う日が来るなんて。
私が彼との別れを悲しまないなんて。

彼に対する尊敬と信頼は変わらない。
これからも友達として助け合っていこうと話した。
やはり私の見る目は間違っていなかった。彼は最高の男だ。だけど、私の男ではなかった。
それがわかったのが寂しい。
でも、彼は彼の幸福をイスタンブールで見つけたのだ。彼は彼の課題を克服したのだ。

私にはイスタンブールの記憶が無い。
彼の目と、ボスボラス海峡を覚えているだけ。

彼はイスタンブールで生きていく。少なくともしばらくは。
いつもそうだ。いつも離れている。そういう運命なのだ。これでよかったのだ。
私は全く別の人間になって帰ってきた。
こんなことは全く想像しなかった。

人生は、絶対に期待した通りにはならない。
思いもよらないことが起こる。私が彼に出会ったときのように。だから先のことを心配しても意味が無い。
全てのことが起こるべきときに起こるだけ。
そして最後には自分の望んだ結果に到達する。
私はこうなることを望んでいたのだ。
知っていたのだ。
でも行かずにいられなかった。

行ってよかった、、、。

次は自分に合った人を探そう。本当に運命の人を探そう。
彼は幸せになった、次は私の番だ。

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